によるもので実に素晴らしいアルバムです。その中に「影響の記憶」という曲があって、さっきのデジャブの話にもつながるけど、僕たちは当然音楽が好きで散々いろいろなものを聴いてきているから、つまり影響が自分の中のどこかの引き出しにしまわれている。それが、曲作りだったり、ちょっとした歌いまわしだったり、楽器を演奏するときのフレーズに知らず知らずのうちに出てしまうことはあると思う。だけどそれが確かな記憶ではない。そういうことが良く表現された曲だと勝手に思っている。石渡には確認とって無いけどね(笑)。で、曲調はノスタルジックで、それが少し悲しげで美しい。それから、トッド・ラングレンとか、あとバンドで、うーん名前が思い出せない。1曲1曲で言うと「ロジャー・ジョセフ・マニングJr.」の「Wish ItWould Rain」なんて、近年ない名曲だと思う。こういう小刻みな感じではいろいろあるかな。
あと、モダンジャズやオールド・ソウルのジャイアンツたちの音楽を聴きなおして、今までは気付かなかったけど、改めて感じてることは沢山ありますよ。

T: では次回作の構想があれば教えてください。

A: やりたいことは沢山あるけど・・・先のことはまだ決めてないです。

T: では、最後にこれからこの「Dr. Rain」を、聴く方に何かメッセージがあれば・・・

A: この空の色いいでしょ! しかないかな・・・。

T: ありがとうございました。


秋山一将といえば、その名を知る人は、渡辺香津美以降70年代後半に彗星のごとくジャズ界に現れた伝説の天才ギタリストというイメージをお持ちの方も少なくないだろう。
80年代以降、度重なる病魔との闘いを強いられながらも、ライヴ活動を中心に行ってきた彼が、ここ数

年精力的にアルバム制作に取り組んでいる。
その原動力の一つには、父親の死という大きな出来事があったということは、今回のインタビューからもうかがい知ることが出来る。
じつは今回のニューアルバムのタイトルは「Dr.Rain」に決る前、「ピーポー」というタイトルも候補にあったという。かつて彼の父、竹三郎(小竹)さんが、レッドスケルトン・ショーやボブホープ・ショー、外国のニュ
ース番組などを見ながら、時折聞こえてくる「People(ピープル)」という単語を、「おい、よくわかんねぇけど、あのピーポーっていうのは何だ!」と彼によく問いかけていたという。「だけどね、ピーポーのピーは、オシッコっていう意味に勘違いされちゃうかもしれないからやめました。」と本人が微笑みながら語っていたのが印象的だった。
1978年に発表されたファースト・アルバム「Dig My Style(残念ながら現在は廃盤)」を数年前に中古