す。くどくならないようにね。印象は人それぞれだから一概には言えないけど、でもそこを誉めてもらったのははじめてだね。嬉しい限りです。

T: 今回のアルバムでも3曲、過去の作品においても何曲か歌っていらっしゃいますが、恐らく多くの人は秋山さんはギタリストだというイメージが強いと思うのですが・・・?

A: そうですね。確かに僕の場合、歌に関しては、本職じゃない。つまり無免許(笑)。ただ、歌を歌うことは昔から好きだし、今後もチャンスがあればトライして行きたいと思います。

T:「Quiet StoRm」のレビューにも書かせて貰ったんですが、僕にとって秋山さんの音楽は、いつもデジャブなんです。要するに初めてなのに初めての気がしない。何か聴いたことあるような、でも何だかは決して解明されない。
それが一番強かったのは今回は4 曲目の「ユー・アー・ザ・ワン」でしたけど・・・。こんなこと言うのは僕だけかもしれませんが、自分の曲(音楽)がデジャブだって言われることについてどう思われますか?

A: 自分で作ってるときに、これは明らかにあるなって気付いたら、その時点でボツにするよ。ただ、結果的にあとで似てると思う部分があっても全体の流れとしてよければ、自分から自然に出てきたテイストだと理解してる。ことライヴにおけるアドリブなんかは、思いついたらその通り弾くしかないから・・・。途中でもし、あっこれあの曲だなって感じた時に、最後まで弾いちゃうこともある。閃いたことっていうのは、それはそれで自分のものだとは思ってるけどね・・・。

T: 今、デジャブについて伺いましたが、もうひとつ僕は秋山さんの作品(アルバム)に共通して感じる
のは、架空のサウンドトラックだなぁという印象なんですが、ご自身はそういう意識はありますか?

A: それって、音とタイトルとジャケットと全て総合しての話だと思うから・・・。
例えば、一日が終わって、夜の帰り道にふとメロディーを思いついて鼻歌で歌っていて楽器を一切使わずに曲ができることがある。その場合、昼間の雑踏の中で閃くことはあんまりなくて、大概は静まり返った夜ですね。或いは楽器を持って「さぁ作るぞ!」っていう感じで、はじめから意識して曲作りに望む場合もある。また、お題を先につけて、その情景を思い浮かべながら曲をかくというやり方もある。僕の場合は、これが一番難しい。
答えになってないかもしれないけど、最初の「Dr.Rain」というタイトルについての質問と同様に聴いてくれた人がどうイメージするかは自由だし、僕の音楽を聴いてもらって、感じてくれたことは全部正解というか、それが答えなんじゃないかな。
ただ今回のアルバムについて言えば、根底にというか、原動力というか、親父の死という事実は大きかったと思う。前作も親父が亡くなった後だったけど、ライブではある意味細やかには出来ないということがわかっていたから、なおさら今回はとことんやってやろうと思った。

T: 先ほど「The Beatles」に影響を受けたというお話もありましたが、最近、興味をもった、また影響を受けた音楽はありますか?

A: 今回もアルバムに参加してもらった渋谷毅さん。勿論以前から知っていたけど、アルバムのレコーディングでもそうだし、一緒に演奏させてもらう度にその凄さを最近つくづく実感させられちゃってます。渋谷さんと、やはり今回参加してもらった僕の信頼するギタリスト石渡明廣と2人で作った「月の鳥」という大好きなアルバムがある。殆どが石渡の作曲