THE PARTRIDGE FAMILY
DVD

Complete First Season


Complete Second Season


Complete Third Season


Complete Fourth Season

今回も番外編として、現状は海外版のみしかDVDリリースがない米TVドラマシリーズ「THE PARTRIDGE FAMILY 」をご紹介します。

1970〜74年に米ABCで放映された連続TVドラマ。
出演は、シャーリー・ジョーンズ(ママ)、デヴィッド・キャシディ(長男キース)、スーザン・デイ(長女ローリー)、ダニー・ボナデュース(次男ダニー)、ブライアン・フォスター(三男クリストファー)、スザンヌ・クルーフ(次女・トレイシー)、デヴィッド・マーデン(キンケード)他。
未亡人となった母親を経済面で助けようと5人の兄弟姉妹が組んだバンド(母親もボーカルとして参加)が、マネージャーの手腕もあって人気を獲得し、母親の運転するスクールバスで演奏旅行し、その中で発生する様々な出来事を描くという『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ・ファミリーをモデルにしたTVドラマ。
バンド及び家族自体はドラマ制作の為の架空の存在でしたが、番組内で歌唱/演奏された楽曲は実際にもヒットし、最初のシングルである「悲しき初恋 (I Think I Love You)」は1970年12月のビルボードでシングルチャート1位を獲得。その後リリースされたシングルやアルバムもチャートを上昇、また主役格である長男のキース・パートリッジを演じたデヴィッド・キャシディ(David Cassidy)も同番組によってアイドル歌手としての人気を獲得し、現実世界でソロ・ミュージシャンとして活動しました。

俳優ジャック・キャシディの息子、デヴィッド・キャシディ。デヴィッドの母と離婚後ジャックが再婚したのが映画女優シャーリー・ジョーンズ。(因みにジャックとシャーリーの息子が後のアイドルスター:ショーン・キャシディ)
継母と前妻の子供という微妙な関係の共演に対する懸念をよそに、人気を博したモンキーズの後番組として『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ・ファミリーをモデルに制作されたこの「パートリッジ・ファミリー」は4年間も続く大ヒットドラマとなりました。
他愛もないストーリーながら、個性的なキャラクターたちによって魅力的なドラマになっている本作には、つい先日亡くなった「ファラ・フォーセット」をはじめ、後の大スターたちもエキストラ的に端役で出演していたりするのも見どころのひとつでしょう。
当時ティーンエイジャーだったり子役だった出演者たちにとっては、この大ヒットドラマが後の人生に良くも悪くも大きな影響を及ぼしたことでしょう。
かつてCS「スーパー・ドラマTV」で放送されていましたが、現状では日本盤としてDVDがリリースされていないのはちょっと驚きですし、残念です。
text by TASCA-T  
CD
            iconicon          iconicon          iconicon
  ヴェリー・ベスト・オブ・              Bulletin Board                    Sound Magazine                 Partridge Family Album
  パートリッジ・ファミリー


   iconicon          iconicon          iconicon          iconicon
         Up To Date                      Shopping Bag              Notebook             Crossword Puzzle



御家人斬九郎





普段なら、DVDでリリースされた映画をご紹介するこのコーナーですが、今回は番外編ということで時代劇のTVドラマシリーズ、しかも要望が多いにもかかわらず、未だDVD化されることのない作品「御家人斬九郎」をご紹介してみたいと思います。
『御家人斬九郎』(ごけにんざんくろう)は、柴田錬三郎による時代小説。1976年(昭和51年)に講談社から単行本が刊行され、晩年の著者が最も力を入れた連作で、フジテレビでドラマ化されています。
江戸時代の末期を舞台に、大給松平家に名を連ねる名門の家柄ながら無役・三十俵三人扶持の最下級の御家人である松平残九郎家正(通称、斬九郎)が、かたてわざと称する武士の副業によって活躍する物語。残九郎の許婚(いいなずけ)の松平須美、幼馴染で北町奉行与力の西尾伝三郎、馴染みの辰巳芸者のおつた、など多彩なキャラクターが登場します。
主人公・斬九郎を演じたのは渡辺謙。原作者が意図したとされる「明るい眠狂四郎」という斬九郎のキャラクターイメージが見事にはまり、他の俳優が演じる事など考えられない彼の当たり役に・・・。
原作は数本の短編作品を収録した文庫本一冊分しかなかったため、魅力的なキャラクター達を活かしたオリジナルエピソード作品が製作されました。物語はステレオタイプ時代劇の単純な勧善懲悪形式ではなく、救いのない話や後味の悪い結末のエピソードも多いのですが、斬九郎と岸田今日子演じる母・麻佐女とのコミカルなやり取りが清涼剤となり、その重さを払拭しています。また、貧乏御家人に過ぎない主人公が葵の御紋の使用を許されている(が、濫用はしない)など、既存の時代劇の"お約束"を皮肉っているように見えるのも魅力の一つと言えるでしょう。


登場人物・キャスト
松平残九郎(通称:斬九郎) - 渡辺謙
九人兄弟姉妹の末子の余計者として生まれ、「残九郎」と名付けられる。兄達は若死したり養子に行ったりし、姉達は結婚したり大奥に上がったりしていて、結局残九郎が家督を継がされる。残九郎は剣の達人だが、遊び人かつ大酒飲み。家禄だけでは到底生活が成り立たず、罪を犯した者を幕府に内密に首を討つ仕事を請け負う“かたてわざ”で、鼓の名手で美食家でプライドの高い母を養わなければならない。
松平麻佐女 - 岸田今日子
残九郎の母親で、79歳になるが、気丈で口達者。残九郎がこの世で唯一頭が上がらない存在で「くそババア」。残九郎がかたてわざで得た報酬のほとんどを召し上げ、高級料亭の食事に費やす食通で、人並みはずれた大食家。
蔦吉 - 若村麻由美
原作では“おつた”。深川育ちの辰巳芸者で江戸っ子気質。武家の生まれだが、両親とは死別して植木職人、辰五郎の養女となる。芸者として多くの座敷に出入りしている事情通で、たびたび残九郎に有益な情報をもたらす。残九郎とは相思相愛だが、粋な性格が邪魔して素直に甘えることができず、顔を合わせれば痴話げんかに・・・。
西尾伝三郎 - 益岡徹
残九郎の幼馴染で、南町奉行所の与力。甘いものが好きで屋敷にいる時はいつも菓子をつまんでいる。残九郎は「雷おこし」というあだ名をつけている。真面目な性格で、義理に厚く、役目のかたわら残九郎のかたてわざにも手を貸すことを惜しまない。
南無八幡の佐次 - 塩見三省
西尾配下の岡っ引き。残九郎の悪友でもある。死体を見るたびに「南無八幡」というのが口癖。背中に八幡大菩薩の姿を彫ってもらっていると言ったので、麻佐女と須美が試しに見せてもらったところ、軍神である八幡様の顔にしては柔和な顔だったため、「観音様と間違えたんじゃ」と言われてしまう。
西尾りく - 唐沢潤
伝三郎の妻女。一見伝三郎を尻に引いているように見えるが、ここぞという時には夫を立てる良妻。伝三郎の役目に支障をきたす面倒を持ち込む存在として、残九郎のことをよく思っていない。残九郎もそんなりくを苦手としていたが、子を授かってからは性格も丸くなる。
おえん - 奈月ひろ子
残九郎が入り浸っている船宿「舟久」のおかみ。
お光 - 奥田小百合
「舟久」の女中。残九郎にほのかな恋心を寄せる。
松平須美 - 吉沢梨絵
残九郎の許婚だが、残九郎は妹のように思っている。蔦吉の存在に気づき、自ら身を引き、後に幸せな結婚をする。



TVドラマとして全5シリーズ合計50話が放送されたこの「御家人斬九郎」、僕自身さほど時代劇が好きなわけでもありませんが、一時期相当ハマリました。兎に角、各々のキャラクターが確立されていて、テンポもよく、時代劇にありがちな人物の静止描写が少なく、無駄の無い作品という印象が強いです。かつてCSの時代劇専門チャンネルで再放送されていましたが、同時期に「ルパン三世」の音楽でも有名な「大野雄二」さんとお話した際、「俺さぁ、最近CSよく見るんだよ。日活のやってるチャンネルNECO。あと今、時代劇専門チャンネルで『御家人斬九郎』やってるでしょ。渡辺謙と若村麻由と岸田今日子のやつ。あれ面白いよねぇ。」と熱っぽく語っていたのを思い出します。このドラマ、相当ファンも多いようで、ネット上でDVD化を要望する投票でもかなりの得票数を獲得していますが、何故だかDVD化されません。
一体どんな大人な事情があるのでしょうか?早くDVD化してもらいたいところです。
TASCAでDVD化ですか?そりゃ無理でしょう、きっと・・・
text by TASCA-T  



こちらのファンサイトに詳しい記載があります。ご参照下さい。
斬九郎の根城 舟久



タイム・アフター・タイム
DVD

イギリスの著名なSF作家H・G・ウェルズと、殺人鬼として名高い切り裂きジャックを結びつけ、2人が19世紀後半から現代にタイム・スリップするSF映画。製作はハーブ・ジャッフェ、監督・脚本はニコラス・メイヤー、原作はカール・アレクサンダーとスチーブ・ヘイズ、撮影はポール・ローマン、音楽はミクロス・ローザ、編集はドン・キャンバーン、製作デザインはエドワード・C・カーファグノ。出演はマルコム・マクドウェル、デイビッド・ワーナー、メアリー・スティーンバージェン、チャールズ・チォッフィ、ケント・ウィリアムス、アンドニア・カサロス他。

1893年のロンドン。殺人鬼、切り裂きジャックの恐怖に人々がおののいている頃、文学者で科学者でもあるH・G・ウェルズ(マルコム・マクドウェル)はタイム・マシン研究に全力をそそいでいました。彼は、近い将来それに乗って理想郷になっているだろう未来の世界へ旅するのだと友人達に語りますが、外科医のジョン・スチーブンソン(デイヴィッド・ワーナー)は、ウェルズの説に反論し、人類の未来は今よりもっとひどいものになっているだろうと説くのでした。その時、切り裂きジャックを追っていた警官が、附近で見失いウェルズの家を家宅捜査すると、スチーブンソンの鞄から血に染まったハンカチが発見され、彼が切り裂きジャックだったと判明します。しかし彼はウェルズの発明したタイム・マシンでいち早く1979年にタイムとリップしていました。ウェルズもタイム・マシンで後を追い、たどり着いたのは79年のサンフランシスコ。目にするものすべてがSFである20世紀の世界で、貨幣換金に訪れた英国銀行で知り合った女子行員エイミー (メアリー・スティーバージェン)も巻き込み、切り裂きジャックの行方を追いかけるウェルズですが・・・

そもそも「来なかった未来」で紹介するつもりでしたが、改めて見直してみると、「海底2万マイル」に登場する「ノーチラス号」をモデルにしたというアールデコ調の「タイムマシン」以外は、特筆すべき「来なかった未来的映像」が登場しないので、こちらのコーナーでご紹介します。 「タイムマシン」などの著書で知られる実在のSF作家「H・G・ウェルズ」と英国人なら誰でも知っている伝説の殺人鬼「切り裂きジャック」がタイムマシンで19世紀から現代へタイムトリップして死闘を繰り広げるというSFサスペンス。ニコラス・メイヤーは初監督作品ということでかなり試行錯誤したようですが、映像の作りこみというより、ストーリー設定や展開が良く練られている印象が強い映画です。主演のマルコム・マクドウェルにとっても初のアメリカ映画かつ初ハリウッド作品の主演だったそうですが、キューブリックの「時計じかけのオレンジ」で非行少年アレックスを演じて以来、演じるのは非人道的な役ばかりだったため、役者としてのイメージを一新する意味でも意欲的に取り組んだ作品のようです。彼自身「僕にとってはこの映画は大部分がラブストーリーだった」と後に語っていますが、撮影中から共演のメアリー・スティーバージェンと恋に落ち、結婚しています(現在は離婚)。また、当初切り裂きジャック役は「ミック・ジャガー」が候補だったという逸話も残っているこの映画、皆さんも一度チェックしてみては如何でしょうか?
text by TASCA-T  



トゥルーマン ショー
DVD
iconicon

ある男の生涯が、テレビの人気連続ドラマとして24時間ノンストップ生中継されていた……という異色作。
監督は「刑事ジョン・ブック 目撃者」「フィアレス」のピーター・ウィアー。脚本は「ガタカ」(脚本・監督)のアンドリュー・ニコル。製作はニコル、「白い嵐」のスコット・ルーディン、「ジャングル・ブック」のエドワード・S・フェルドマン、「ファースト・ワイフ・クラブ」のアダム・シュローダー。撮影は「ダメージ」のピーター・ビジウ。美術は「バグジー」のデニス・ガスナー。出演は「ライアーライアー」のジム・キャリー、「目撃」のエド・ハリス、「コンゴ」のローラ・リニー、「サバイビング・ピカソ」のナターシャ・マケルホーン、「コップランド」のノア・エメリッヒほか。

周りを海で囲まれた平和な離れ小島の町シーヘブン。保険のセールスマン、トゥルーマン・バーバンク(ジム・キャリー)は看護婦でしっかり者の妻メリル(ローラ・リニー)や親友のマーロン(ノア・エメリッヒ)とともに平凡な毎日を送っています。ボート事故で父親を亡くした彼は水恐怖症で島から出たことはありませんが、大学時代に出会った忘れられない女性、ローレン(ナターシャ・マケルホーン)に会うためフィジー島へ行くというささやかな夢をもっていました。
ところが、実はトゥルーマンの家族や同僚は俳優で、住む島全体がロケセット、通行人はエキストラという、虚構の世界に生き、生涯のすべてをテレビ放送されていたのでした。
ある日、トゥルーマンは、いつもと違う行動を取るとまわりの様子が落ち着かなくなることを発見。不安と疑問がつのり、妻のメリルに怒りをぶつけた末、メリルは家を出て行ってしまいます。トゥルーマンは意を決し、地下室で寝ているふりをしてボートで海に漕ぎ出して行くのですが・・・。

母親に望まれずこの世に生を受けてしまったある男の子の赤ん坊が、トゥルーマン・バーバンクと名付けられ、シーへブンという島全体が巨大なロケセットになっている離れ小島のいたるところに約5000台にも及ぶカメラが設置され、その一挙手一投足を24時間を放送し続けているという、あったら怖い現実のような虚構、いや虚構にして現実の世界。
この映画を観終ったとき、「来なかった未来」コーナーNo.003でご紹介した「プリズナーNo.6」の主人公が拉致され世間と隔離された「村」と呼ばれる場所で番号で呼ばれるという舞台設定にも少し似ているという印象をもちました。映画やTVドラマといったエンタテインメントでは、「そうそうこういうのあるある」といういたって現実的な世界観の中で、「そんな旨い話があるかい!」「そんなわけないだろう」という非現実が描かれるといったことは多々ありますが、この映画はありそうでありえない「虚構と現実」の究極を描いた作品でしょう。
「観客を楽しませれば何をやってもいいのか?」という放送における倫理観、果ては人としての倫理観をも考えさせられてしまう作品です。果たして皆さんはどんな印象をおもちになるでしょうか?
text by TASCA-T  



アメリカン グラフィティ
DVD
iconicon



soundtrack CD
iconicon

車とセックスとロックンロールに青春のエネルギーを発散させる、1962年のアメリカ地方都市に生きる若者たちの生態を描く青春映画。
製作はフランシス・フォード・コッポラ、監督はこれが2作目の新人ジョージ・ルーカス、脚本はルーカス、グロリア・カッツ、ウィラード・ハイク、撮影はハスケル・ウェクスラー。出演はリチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、ポール・ル・マット、チャーリー・マーティン・スミス、シンディ・ウィリアムズ、キャンディ・クラーク、マッケンジー・フィリップス、ウルフマン・ジャックほか。

1962年カリフォルニア北部の小さな地方都市。若者たちの唯一の気晴らしはカスタム・カーをぶっ飛ばしてガールハントすること。ボリュームいっぱいにあげたカー・ラジオからは町一番の人気者のDJ(ウルフマン・ジャック)のうなり声と「ロック・アラウンド・ザ・クロック」のリズム。 カート・ヘンダーソン(リチャード・ドレイファス)、スティーヴ・ボレンダー(ロニー・ハワード)、テリー・フィールズ(チャーリー・マーティン・スミス)、ビッグ・ジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)という仲のよい4人、高校を卒業したカートとスティーヴが東部の大学へ進学するため、彼らがが顔を揃える最後の夜を迎えたのだが・・・。

1962年。ケネディー暗殺の前年、古き良きアメリカの田舎町の若者の一夜の出来事を描いた青春映画の傑作。1974年公開のルーカスの監督第2作。71年にやはりコッポラ製作のもと監督第1作となった「THX-1138」が失敗したこともあり、映画会社からは、「こんなものお客を入れて観せるものではない。」と酷評され、その後のスターウォーズの企画も却下されたという曰く付きの作品。劇中アメリカン・オールディーズ・ヒットソングが惜しみなく使われ、決して甘酸っぱいだけではない、揺れ動く10代の若者の葛藤を描いた名作にして、仮にサントラだけ聴いても十分楽しめてしまう作品です。
劇中ビッグ・ジョン・ミルナー役のポール・ル・マットの言った「バディホリーが死んだ時ロックも終わった、 ビーチボーイズなんて糞だ」という台詞も印象的ですが、エンディングでかかるビーチ・ボーイズのAll Summer Longが最高にイカしてます。
text by TASCA-T  



マーサの幸せレシピ Bella Martha
DVD
iconicon



soundtrack CD
iconicon

監督:サンドラ・ネッテルベック
出演:マルティナ・ゲデック、セルジョ・カステリット、ウルリク・トムセン、マクシメ・フェルテス

天才的味覚と最高の腕を持つ女性シェフ、マーサはハンブルクのフランス料理店で働いています。しかし自分の料理を認めない客に乱暴な言葉を投げつけるような彼女を、オーナーは「街で2番目のシェフ」と呼んでいました。その意味を知ろうともせず、人との関わりを避けて暮らしていたマーサですが、事故で姉が他界し、8歳の姪リナを引き取ることに・・・でもリナは他人には心を開こうとせず、彼女のおいしい料理も口にしません。仕事一筋できたマーサはリナをどう扱っていいかわかりません。しかも、そんな中マーサの務める店に新たに雇われたイタリア人シェフ、マリオが現れるのですが…

主人公のマーサはデートすることすら面倒だと思っている現代社会のキャリアウーマン。そんなマーサが突然の姉の事故死により姪っ子リナとの生活が始まり、人生の転機をむかえ、戸惑いながらも姪のリナの笑顔を取り戻そうとするうちに几帳面な自分とは正反対のイタリア人シェフ、マリオの姿に感化され、人生を楽しむこと、今まで見ようとしなかった風景や愛情に気づいていく姿をドイツのハンブルクを舞台に女性の視点で描いた心温まる作品です。 メインテーマとしてキース・ジャレットの「Country」という楽曲が度々効果的に使用されているのも印象的です。
本作をリメイクしたキャサリン・セダ・ジョーンズ主演のハリウッド映画「幸せのレシピ」が話題になったのは記憶に新しいところですが、果たして皆さんはどちらがお好みでしょうか?
text by TASCA-T  



ワンダとダイヤと優しい奴ら(A Fish Called WANDA)
DVD
iconicon

1300万ポンドの宝石をめぐって、ひとりのセクシーな女性と、彼女を取り巻く男達の騒動を描くコメディ映画。
エグゼクティヴ・プロデューサーはスティーヴ・アボットと主演のジョン・クリース、製作はマイケル・シャンバーグ、監督はチャールズ・クライトン、原作・脚本はクリースとクライトン、撮影はアラン・ヒューム、音楽はジョン・デュプレが担当。出演はジェイミー・リー・カーティス、ケヴィン・クライン(88年米アカデミー賞助演男優賞)、マイケル・ペイリン、トム・ジョージソン、マリア・エイトケン他。


ロンドンで白昼堂々4人の強盗団がダイヤを強奪。でも仲間の裏切りで、すぐにボスのジョージ(トム・ジョージソン)は逮捕されてしまいます。ダイヤを誰も知らぬ金庫に隠し、口を割ろうとしないジョージ。強盗団で紅一点の美女ワンダ(ジェイミー・リー・カーティス)は文字通り身体を張って弁護士のアーチー(ジョン・クリース)に接近し、ダイヤのありかを捜し求めます。彼女に恋焦がれるオットー(ケヴィン・クライン)は、ワンダとアーチーの密会の場所に次々に現れては嫉妬の炎を燃えたぎらせ邪魔ばかり。目撃者殺しにやっきになるケン(マイケル・ペイリン)も加わり、それぞれの思惑を秘めたダイヤ横取り作戦が・・・。



米ハリウッドとは全く趣の違うコメディー映画。英国の高学歴インテリ・ギャグ集団「モンティー・パイソン」のジョン・クリース(主演・脚本)とマイケル・ペイリンのコンビ+米国の個性派俳優ケビン・クラインとジェイミー・リー・カーティス(トニーカーティスの娘)という主に4人のドタバタ劇にして、英・米のセンスが絶妙にブレンドされた展開に含み笑いと抱腹絶倒必至の傑作です。余分な説明は不要、兎に角笑える作品です。また、特典映像におけるジョン・クリースの解説を見れば、彼が「モンティー・パイソン」の時代から如何に緻密に笑いを組み立ててきたかという一面を垣間見ることが出来ます。この映画を観て改めて「モンティー・パイソン」を見たくなる方も少なくないでしょう。
text by TASCA-T  






夜明けのマルジュ(La Marge)
DVD
iconicon

出演:シルヴィア・クリステル、ジョー・ダレッサンドロ
        ミレーユ・オーディベル、アンドレ・ファルコン
監督:ヴァレリアン・ボロヴズィック
製作:アンリ・ボーム
製作総指揮:ロベール・アキム、レイモン・アキム
原作:アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ
脚本:ヴァレリアン・ボロヴズィック
撮影:ベルナール・ダイレンコー
音楽:ロベール・アキム


シジスモン(ジョー・ダレッサンドロ)は、若く美しい妻セルジーヌ(ミレーユ・オーディベル)と一人息子のエリー、そして召使いのフェリーヌ(ルイズ・シュバリエ)と南フランスのとある田園地帯で幸せな日々を送っていました。ある日、伯父のアントナン(アンドレ・ファルコン)に代理人としてパリに行って欲しいと頼まれます。パリで仕事を終えた夜、シジスモンは、あるバーで知りあった娼婦ディアナ(シルヴィア・クリステル)と一夜を共にします。翌日、彼はフェリーヌからの手紙を受け取り、セルジーヌが自殺したという知らせが・・・
彼はその悪夢のような手紙から逃れるために、再び夜の街へ出かけ、ディアナとの情事を繰り返し、現実逃避を続けるのですが・・・。
1976年のフランス映画。エマニュエル婦人で一躍有名になったシルヴィア・クリステル主演の誰が、何処からどう見てもポルノ映画です。TASCAも遂にここまで堕ちたか?!と思われるかもしれませんが、TASCA的にはストーリー云々よりも、劇中に使用されている音楽に注目していただきたいと思います。主題歌はシャルル・デュモンの「夢の女」。挿入曲はピンク・フロイドをはじめ、エルトン・ジョンの「Saturday Night Alright For Fightng」、10ccの「I’m Not In Love」や「Lazy Ways」など70年代中期という時代を反映してか、英国ロックの名曲が惜しみなく使われていて、ちょっと意外な感じもします。そして、何といっても映画のラストを飾るのが、先日も「Invisible Music」のコーナーでもご紹介した、Sailorのヒット曲「Glass of Champagne」というあたり、かなり意表を突かれます。
残念ながらサウンドトラックCDは現在販売されていませんが、ハリウッド映画とは全く異なった、フランス映画の映像世界と意外にもマッチしている英国のロックサウンドを楽しめる1本としてオススメいたします。
text by TASCA-T  



スパイ・ライク・アス
DVD



主題歌収録CD

【キャスト&スタッフ】
チェヴィ・チェイス(Emmett Fitz-Hume)、ダン・エイクロイド(Austin Millbarge)
スティーヴ・フォレスト(General Sline)、トム・ハットン(General Miegs)
ブルース・デイヴィソン(Mr.Ruby)、ウィリアム・プリンス(Mr.Keyes)
バーニー・ケーシー(Colonel Rhombus)、ドナ・ディクソン(Karen Boyer)
バネッサ・エンジェル(Russian Rocket Crew)
コスタ・ガブラス(Tadzhik Higway Patrol)
ロナルド・レーガン(The Presidet of the U.S.)、ボブ・ホープ(Bob Hope)

監督:ジョン・ランディス
製作:ブライアン・グレイザー、ジョージ・フォルシー・Jr
原案:ダン・エイクロイド、デイヴ・トーマス
脚本:ダン・エイクロイド、ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル
撮影:ロバート・ペインター
音楽:エルマー・バーンスタイン
主題歌:ポール・マッカートニー

          

アメリカの気象観測衛星が、中央アジアの奥地に設置されたソ連の巨大ミサイルをとらえ、調査の為に腕利きスパイ2名を送り込もうと画策します。そのスパイの囮の捨石スパイ要因2名として選出されたのは、国防省選り抜きの落ちこぼれ、エメット(チェビー・チェイス)とオースティン(ダン・エイクロイド)。
囮とも知らず昇進、海外勤務の辞令に大喜びし、即席訓練を受け、早速2人は任務の内容もしらされずにパキスタン上空から落とされ、ソ連へと送り込まれます。しかしそこには、大手兵器メーカーの陰謀が絡み、第3次大戦勃発の危機が・・・
「ブルース・ブラザーズ」「トワイライト・ゾーン」「大逆転」のジョン・ランディス監督とチェヴィ・チェイス、ダン・エイクロイドという「サタデーナイトライヴ」レギュラーメンバー2人の顔合わせで1985年に製作された当時の米レーガン政権下の旧ソ連との冷戦を皮肉った抱腹絶倒コメディ。
「モンティ・パイソン」のテリー・ギリアムや、ボブ・ホープがカメオ出演していることや、主題歌をポール・マッカートニーが歌っているところも注目です。とにかく無条件に笑える映画です。是非、一度チェックしてみてください。
text by TASCA-T  



サボテン ブラザーズ
DVD









【キャスト&スタッフ】
ラッキー・デイ…スティーブ・マーティン
ダスティ・ボトムズ…チェビー・チェイス
ネド・ネーデルランダー…マーティン・ショート
ジェフェ…トニー・プラナ

製作総指揮・脚本:スティーブ・マーティン
監督:ジョン・ランディス
脚本:ローン・マイケルズ
撮影:ロナルド・W・ブラウン
音楽:エルマー・バーンスタイン


1916年、メキシコ、サンタ・ポコの村は、悪党エル・ワポ一味の餌食となり、略奪の脅威にさらされる毎日。誰かが救いの手を求めて、カルメン(パトリス・マルティネス)と少年が用心棒探しのために町に出ることに・・・、ところが町の人々に相手にされず、絶望し教会に入った2人は、そこで上映されていた“サボテン・ブラザース"と名のる3人の正義の味方が貧しい村のために悪と戦い、謝礼金を受け取らずに去ってゆくという映画を目撃します。“サボテン・ブラザース"を実在の人物だと思ったカルメンと少年は、ハリウッドにいる“サボテン・ブラザース"に電報をうつのですが、料金足らずで、誤解をまねく電文が・・・。
一方、“サボテン・ブラザース"に扮している3人の俳優、ダスティ・・ボトムス(チェヴィ・チェイス)、ラッキー・デイ(スティーヴ・マーティン)、ネッド・ネダーランダー(マーティン・ショート)は、賃上げを要求したばかりに、撮影所長フルーゲルマン(ジョー・マンティーニャ)にクビにされてしまいます。そこでこの電報を受け取り、俳優としての仕事が入ったと勘ちがいして、さっそくメキシコヘ・・・。ハデな服装で町についた3人は、サンタ・ポコの村へ・・・
村で撮影が始まるのを待つ彼らですが、一向にその気配はなく、衣裳をつけて表に出ると、エル・ワポ一味が待ちかまえており、3人は映画同様の派手なデモンストレーションを行うと驚いたエル・ワポ一味はその場を退散します。3人の活躍ぶりに村人が喜び、その夜は祝宴に。翌日、二日酔いの3人の前に大軍をひきいてやって来たエル・ワポ一味に本物の銃で撃たれ、ことの重大さにやっと気づいた3人でしたが・・・

『アニマルハウス』『ブルース・ブラザース』のジョン・ランディス監督が、『サタデー・ナイト・ライブ』の人気コメディアン3人を起用した大ヒット・コメディ。『荒野の七人』などの名作西部劇のパロディなど、愉快な演出たっぷりの1986年作品。スティーブ・マーティンの名作コメディ映画は数多くありますが、これを見ずして彼は語れない傑作です。他の作品で彼を知った方も是非一度ご覧になっていただきたい作品です。
text by TASCA-T  



ロスト・イン・トランスレーション
DVD




soundtrack CD

一般には『ゴッドファーザーPARTIII』の大根役者としてしか記憶されていなかったソフィア・コッポラの「ヴァージン・スーサイズ(1999年)」に続く2作目となる監督作品。
わずか400万ドルの予算と27日間で撮影され、4400万ドルの米興収成功をおさめ、2003年の多くの米映画賞を総なめにし、2004年アカデミー脚本賞を受賞した作品。脚本もコッポラ自身が手掛け、若いころ日本に滞在していた時の体験をもとにした半自伝的作品と告白しています。
日本のCMに出演するため来日したハリウッド俳優、ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)は、異国の都市で言葉も通じず孤独感に浸り、また、同じホテルに滞在していた写真家を夫に持つ新婚のシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)は夫の仕事が忙しく、ボブと同じようにやはり孤独でした。二人はホテル内で顔を合わせるうちに親しくなっていくのですが・・・
とにかく、セリフの少ない映画で、CM撮影で、監督(DIAMOND☆YUKAI)が日本語で長々と注文を付けているのに、通訳は一部分しか訳してくれず、コミュニケーションがとれない人々に囲まれ、ボブがイライラと諦めと妙な孤独感をつのらせていくシーンや、多忙なカメラマンの夫を独りホテルの部屋で待つシャーロットが孤独感を募らせていくシーンなど、多くの沈黙による場面描写は、ある種アメリカ映画らしくない単館上映のヨーロッパ映画のような雰囲気すらかもし出していて逆に趣を感じます。
劇中登場する日本人たちは、めがねをかけたサラリーマンの群像や、表情も言葉もない飲食店員、丁寧すぎて滑稽なホテルスタッフ、シャーロットの友達(日本人)がLとRの発音が逆になっている英語らしき言葉で交わす脈絡のない会話など、残念ながら誰一人として人物像が描かれていませんが、欧米諸国からみたアジアの先進国、不思議の国「ニッポン」を改めて実感させられる作品でもあります。
どうやらジョバンニ・リビシ演じるカメラマンの夫はソフィア・コッポラの前夫スパイク・ジョーンズ、アンナ・ファリス演じるハイテンションなハリウッド女優は、日本でモデルとして活動していた過去がある女優のキャメロン・ディアスがモデルらしいです。挿入歌として、はっぴいえんどの『風をあつめて』や、 マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ジーザス&メリーチェインの楽曲も使用されています。
text by TASCA-T  



ニューオリンズ
DVD


今回ご紹介するのは、前回の「野のゆり」よりも更に古い1947年の作品。まだ、JAZZという 言葉すら生まれていない、クラシック以外は音楽ではない!という風潮が蔓延っていた戦前1917年のニューオリンズが舞台。
若かりしルイ・アームストロングは勿論、本作が唯一の映画出演作となったジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイが出演していることだけでも貴重な作品。
簡単にストーリーをご紹介しますと、ニューオリンズはベイスン通りで賭博経営する主人公ニック、2階が賭博場で優雅なクラシックが演奏され、白人の金持ちたちが賭けを楽しんでいる階下で、アームストロングをはじめ黒人ミュージシャンたちの音楽と食事を提供していますが、金持ちの娘でオペラ歌手のミラリーと恋に落ち、それが原因でニックはニューオリンズを追われ、シカゴに拠点を移し、ジャズを世に認知させるために尽力するという物語。
劇中で繰り広げられる音楽が素晴らしいのはもとより、由緒正しきクラシック音楽以外は、眉を顰められ、弾圧される黒人音楽(ブルース、ラグタイムピアノetc.)がウイルスのように蔓延してゆき、JASSとよばれ、やがてJAZZと呼ばれるようになり、ポピュラーミュージックへと変貌し、一般大衆に受け入れられてゆく様を描いた素晴らしい作品です。
JAZZのルーツを垣間見る意味でも、是非一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
text by TASCA-T  



野のユリ
DVD




soundtrack CD

1963年作品。監督はラルフ・ネルソン、音楽は巨匠ジェリー・ゴールド・スミスが担当。
この年は、"クレオパトラ"や"史上最大の作戦""アラビアのロレンス"など大作がヒットし、日米ともに興行成績ベスト10にもランクされていない作品。
しかしそんな中、主演のシドニー・ポワチエが黒人として初めてアカデミー主演男優賞を受賞した記念すべき作品でもあります。 今でこそ、黒人が受賞するのは当然ですが、当時はまだまだ偏見や差別が激しく、画期的な出来事だったようです。シドニー・ポワチエは、「今まで努力してきた何万人もの黒人俳優全員への賞だ」とコメントしています。それほどまでに、この賞の持つ意味は大きかったのでしょう。
映画の内容は、黒人除隊兵のホーマー・スミス(ポワチエ)が、ボロボロのステーション・ワゴンに大工道具を積んで旅をし、アリゾナ砂漠でエンストしてしまい、そこで東ドイツから亡命してきた尼僧達に出会います。言葉も通じなければ、金もない尼僧達ですが、本気で荒野に教会を立てようとしています。彼女達は、ホーマーを勝手に神から使わされた助け手と決め付け、彼は仕事を引き受けるはめに・・・。 しかし、全米カトリック後援会からの寄付も来ない事が判明し、人手もいないなか、ホーマーが孤軍奮闘し、次第に町の人々も手助けし、資材も届けられ、遂に教会は完成します。 尼僧たちが喜びのアーメンコーラスを歌う中、彼はひっそりとその場を去っていくのでした。
エンディングでも歌われるこのコーラス、ある夕食後に英語のレッスンと称してホーマーが尼僧達に教えたことがきっかけで劇中度々歌われているのが印象的で、1992年にウーピー・ゴールドバーグが主演した「天使にラブソングを」を連想させられます。是非一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
text by TASCA-T  



ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ
DVD






soundtrack CD

発売日:2008年08月22日 カタログNo:MGBSV16356
レーベル:20th Century Fox Jp 発売国:日本

南仏の高級リゾート地コート・ダジュールの小さな町“ボーモン・シュル・メール"にある日ひとりの風来坊フレディ・ベンソン(スティーヴ・マーティン)がやって来ます。その正体は、自分の“病気の祖母"のお涙頂戴話を語り、リッチな旅行者達の同情をさそっては、至る所でマダムから小銭をせしめるペテン師だったのです。
一方、とある国の国王と言うふれ込みで祖国の人民救済資金の調達を口実に有閑マダム達から大金を稼いでいた地元のサギ師ローレンス・ジェイミソン(マイケル・ケイン)は、ペテン師フレディに縄張りを荒され焦り始めます。ローレンスはどちらが先にアメリカの大資産家の女相続人ジャネット・コルゲート(グレン・ヘドリー)から5万ドルを巻きあげるか賭けをもちかけ、負けた方がこの町から出て行くことをフレディに提案します。
かくして2人はあの手この手でジャネットに近づきます。やがて彼女に好意を抱き始めたローレンスは、冷酷無情にジャネットを騙そうとしているフレディに強い反感を抱きますが、実はジャネットこそ2人の上手をゆくサギ師だったのです。まんまと一杯喰わされ、逆に大金を巻き上げられた2人の前にツアーコンダクターとなって大勢のカモ達を引き連れてジャネットが再び現われるのですが・・・

監督は『リトルショップ・オブ・ホラーズ 』『ステップフォワード・ワイフ』のフランク・オズ。『サタデー・ナイト・ライブ』をはじめ『サボテン・ブラザーズ』『花嫁のパパ』などの名演で知られる、米映画界を代表するコメディアン、スティーブ・マーティンと、英映画・演劇界が誇る実力派で『ハンナとその姉妹』ではアカデミー助演男優賞を受賞したマイケル・ケインの米・英映画界を代表する大物俳優2人が激突するゴージャスな大人のコメディ。二転三転の騙し合いがとにかく笑える傑作です。 是非一度チェックしてみてください。
text by TASCA-T  



マン・オン・ザ・ムーン   MAN ON THE MOON
DVD

70年代に過激な笑いで世間を賑わせ、35歳という若さでこの世を去ったアメリカの異色コメディアン、アンディ・カウフマンの生涯を描いた伝記映画。名優ジム・キャリーが、カウフマン役を熱演し、2年連続ゴールデン・グローブ賞最優秀主演男優賞を獲得した作品。
このアンディ・カウフマンという人、日本では全く無名ですが、かつてCSのスーパーチャンネル(現SupperDramaTV)で「サタデー・ナイト・ライブ」が放送されていたときにゲスト出演していたのを何度か見たことがあります。そして、同時期にテレビで放映されていたこの映画を観たのが最初です。
そのあまりにも天才的で自身が納得する笑いを追及するあまり、周囲が現実なのかヴァーチャルなのか錯覚してしまうほど幾重にもトリックとハプニングを仕掛けてゆく芸風が大衆に拒絶されていく悲劇のコメディアンという部分が強調されたストーリーなのですが、実際はどうだったのでしょうか? 彼を拒絶する大衆をよそに抱腹絶倒していたファンは少なくなかったのではないでしょうか?そうでなければ、彼の短い一生を描いた一本の映画がここに存在することの説明がつきません。
R.E.Mの歌う主題歌も素晴らしいので、是非サウンドトラックもあわせてお楽しみ下さい。
きっとアンディ・カウフマンという人についてもっと知りたくなるに違いありません。
  text by TASCA-T  
soundtrack CD
サントラ収録曲
1. マイティ・マウスのテーマ(サンドパイパーズ)
2. ザ・グレイト・ビヨンド(R.E.M.)
3. キス・ユー・オール・オーヴァー(エクザイル)
4. タクシーのテーマ(ボブ・ジェイムス)
5. トニー・スロウン・アウト(R.E.M.)
6. マン・オン・ザ・ムーン(オリジナル・ヴァージョン)(R.E.M.)
7. フレンドリー・ワールド(R.E.M.,アンディ&トニー)
8. ミラクル(R.E.M.)
9. リン&アンディ(R.E.M.)
10. ローズマリー(アンディ・カウフマン)
11. アンディ・ファイアード(ザ・ボイル)(R.E.M.)
12. アイ・ウィル・サヴァイヴ(トニー・クリフトン)
13. ミルク&クッキーズ(R.E.M.)
14. マン・オン・ザ・ムーン(オーケストラ・ヴァージョン)(R.E.M.)
15. ワン・モア・ソング・フォー・ユー(アンディ・カウフマン)



プリシラ   Adventures of Priscillaos
DVD

1994年アカデミー賞(R)衣装デザイン賞受賞作品。世代も生き方も違う3人のドラッグ・クイーン(女装のゲイ)がオーストラリアのシドニーから砂漠の真ん中にあるアリススプリングスでショウをするために『プリシラ号』と命名されたバスの旅に・・・。それぞれヘビーな問題を抱えた3人、毒舌の喧嘩が始まったり、遭難しそうになったり、ボロボロになりながらも決してめげることなく、夢をひとつひとつ実現してゆくコメディー・ロード・ムービー。おバカ映画としても充分に楽しめる内容であるのもさることながら、劇中の音楽が素晴らしい。
1曲目のシャーリーン「愛はかげろうのように」に始まり、ペーパー・レースの「悲しみのヒーロー」、ホワイト・プレインズの「恋に恋して」、アリシア・ブリッジスの「夜のアリシア」、グロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」、R.B.グリーヴスの「浮気なマリア」、アバの「ママ・ミア」など名曲がめじろ押しの選曲となっていて、映画を知らなくてもサントラだけでも楽しめる作品です。
  text by TASCA-T  
soundtrack CD
サントラ収録曲
1. 愛はかげろうのように(シャーリーン)
2. ゴー・ウェスト(ヴィレッジ・ピープル)
3. ビリー・ドント・ビー・ア・ヒーロー(ペイパー・レイス)
4. マイ・ベイビー・ラウズ・ラヴィン(ホワイト・ブレインズ)
5. アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ(オリジナル・ヴァージョン)(アリシア・ブリッジズ)
6. キャント・ヘルプ・ラヴィン・ザット・マン(トラディ・リチャーズ)
7. 恋のサヴァイヴァル(グロリア・ゲイナー)
8. ファイン・ロマンス(レナ・ホーン)
9. シェイク・ユア・グルーヴ・シング(オリジナル・ヴァージョン)(ビーチズ&ハーブ)
10. イフ・ザ・サン・ドント・シャイン(パティ・ペイジ)
11. ファイナリー(7″チョイス・ミックス)(シー・シー・ベニストン)
12. テイク・ア・レター・マリア(R.B.グリーヴス)
13. ママ・ミア(アバ)
14. セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト(ヴァネッサ・ウィリアムス)
15. アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ(リアル・ラビーノ 7″ミックス)(アリシア・ブリッジズ)
16. ゴー・ウェスト(オリジナル 12″ミックス)(ヴィレッジ・ピープル)
17. 恋のサヴァイヴァル(1993フィル・ケルシー・クラシック 12″ミックス)(グロリア・ゲイナー)
18. シェイク・ユア・グルーヴ・シング(オリジナル 12″ミックス)(ビーチズ&ハーブ)
19. アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ(フィリップス・ダミアン・エクステンディッド・ヴォックス)(アリシア・ブリッジズ)